医療法人たばた小児科
〒355-0153
埼玉県比企郡吉見町久米田616-8
0493-54-8822
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皆さん,おはようございます。
こちらは3日前から急に涼しくなりました。一昨日の娘の結婚式は,青空の下,無事に挙行されました。
式は市役所で行われ15分ほどで終わり,その後家に戻り庭でパーティーが始まりました。日本の結婚式の披露宴は大体2時間くらいですが,こちらのパーティーは延々と続き,終了したのは午前1時過ぎで,10時間くらいやっていました。
遠方から新郎新婦の友人達が集まってくれて,とても楽しいパーティーでした。
さて,3日前のエッセイですが,先輩や友人たちからいろいろなコメントをいただきました。その中で共通していたのは,やはり異常と思える日本の現状を,一刻も早く改善して欲しいという気持ちです。
本日出る自分のPCR検査の結果が気になりますが,それはさておき,ちょっと伝え残したことがあるので,追伸としてこのエッセイを書きたいと思います。
現在,日本で大きな問題となっているのが,「医療崩壊」です。発熱患者が救急外来に殺到して入院ベッドが満床になり,本当の重症患者が入院できない。発熱患者からの救急車出動の要請が相次ぎ,本当に緊急を要する人に十分対応できない。そんな現状です。
本来,発熱だけでは急患とは考えません。
当院でも,41℃の発熱があっても意識が清明で,水分が摂取できていれば,慌てて夜中に救急外来を受診する必要はないですよ。慌てなくてはならないのは,①意識がない,②痙攣が10分から20分以上止まらない,または繰り返す,③嘔吐が続きぐったりしている,ような場合だよ。とお話しして,ご家族の理解を得ています。
発熱だけでは急患ではないにもかかわらず,殺到するただの風邪患者のせいで,医療体制が麻痺しています。休む暇もない救急病院の医療スタッフや救急車の隊員たちは,肉体的にも大変でしょうが,精神的にはもっと疲れているのではないでしょうか。
「なんでこんな軽症の風邪患者ばかり,暑い中,わざわざ防護服を着て対応しなくてはいけないのか? 本当の重症患者はどうするんだ?」と。
結局,今起きている「医療崩壊」は,国の不適切な対応に起因した「人災」に他なりません。
この異常な現状を打破するのは,実は簡単です。政府が「コロナは『ただの風邪』です」と,今すぐに国民に宣言してしまえばいいのです。
第7波が収まってから…などと悠長なことを言っている暇はありません。コロナウイルスは今後もBA5→BA6→BA7→BA8…,と変異を繰り返すでしょうから,第7波が収まったと思ったらすぐに第8波,第9波がくる可能性は否定できません。
あまり言いたくはないのですが,マスコミに登場する医師たちで,まともなバランス感覚をもっている人は少ないように思います。現場の実態が理解できておらず,いつもチグハグな発言ばかりが目立ちます。肩書きは立派ですが,臨床医としてはいかがなものでしょうか?
政府やマスコミにとって,都合の良い発言が期待できる医師たちを選んでマスコミに登場させ,この2年半の間,国民を煽り続けてきたのではないかと思うと,私は大きな怒りを感じます。
日本もここ数日で,コロナに対する態度が変わってきたようですね。でも,的外れな発言はもう結構です。グダグダ言っていないで,一刻も早く二類指定を外すべきでしょう。
もう,誰の目から見ても,高齢者が感染しても重症化しない『ただの風邪』なのですから。
「やるなら今でしょ!」。
二類指定が外されれば,PCR検査なんて意味がなくなるし,ワクチンも不要になります。熱がでたらかかりつけ医を受診,で済むようになります。コロナが話題に上がることもなくなるでしょう。日本中に平和が訪れます。
ここで,ちょっと話題をインフルエンザに向けたいと思います。
コロナの影響でこの3年間,世界中でインフルエンザの流行はありませんでした。結果として,インフルエンザに対して免疫を保っていない人が増えています。特に小さな子どもたちは,無防備な状態です。
インフルエンザは,『ただの風邪』ではありません。新型コロナは2年半前に登場した時には毒性があり,高齢者や動脈硬化が高度な人が重症化しました。
しかし,最も毒性が強いと考えられていた時点でも,子どもたちにとっては何の脅威でもありませんでした。コロナが原因で亡くなった10歳以下の子どもは,日本には1人もいません。
最初から子どもたちにとっては,新型コロナは『ただの風邪』以下の存在だったのです。
ところが,インフルエンザでは毎年数十人以上の子どもたちが脳炎・脳症で死亡し,それ以上の子どもたちの脳に障害を残していました。この3年間,インフルエンザの流行がなくその脅威から遠ざかっていましたが,そろそろ大流行が起こるのではないかと危惧されています。
インフルエンザ以外の疾患も,不要なマスク着用,手洗い,休園・休校などが原因で感染の機会が減少しています。どのウイルスが感染爆発を起こしても不思議ではない状況です。
一刻も早く,子どもたちに強要しているコロナ対応を撤廃し,自然に風邪をひくことのできる状況に戻す必要があります。
ついでに言わせてもらうと,新型コロナを2類から5類へ,という話が出ていますが,インフルエンザも5類指定です。同じ5類では,どう考えてもインフルエンザに失礼だと思います。
インフルエンザが関脇だとしたら,コロナはいまや幕下です。コロナなんて,5類ではなく『ただの風邪』に一括りにするべきでしょう。
ホームパーティーで,十数名の若者たちと話ができました。こちらで働いている日本人数名とも,意見交換をしました。
日本の現状について,いろいろな面で成長が止まっている。頑張った人が正当な評価を受けにくい国。社会保障制度にも不備が目立つ。そのため,遥かフランスに来て頑張っているという若者たちでした。
でも,日本には家族も友人も暮らしているし,祖国なので,見捨てたくはないという気持ちは伝わってきました。
今回の2年半に及ぶ(まだ終わってはいないけれど)コロナ騒動で,日本国の問題点が炙り出された気がします。我々は,それを真摯に受け止め,日本を良くしていく方向に,みんなで努力を続けていかねばなりません。
5月に新型コロナを『ただの風邪』にしたフランスです。3ヶ月経って,フランスで暮らす人々にとって,コロナは今どんな存在かと尋ねたところ,皆さん口を揃えて「コロナなんて,頭の隅にも残っていない。今さら話題に上がることもない」と,全く気にも留めていない様子でした。
やはり,日本も早くコロナを『ただの風邪』にしてあげればいいのだと思いました。
そろそろ帰国の準備を始めることにします。また日本でお会いしましょう。
最後までお読みいただき,ありがとうございました。
2022年8月8日
フランスにて
