医療法人たばた小児科
〒355-0153
埼玉県比企郡吉見町久米田616-8
0493-54-8822
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昨年7月にエッセイを書いてから6ヶ月が過ぎました。この半年間で新型コロナウイルスの世界的流行はδ(デルタ)株,そしてο(オミクロン)株へと推移してきました。
1月26日には全国の感染者数が初めて7万人台となりました。感染者の急激な増加に報道は過熱気味です。しかし,患者数が多い割には,重症者数・死亡者数ともに増加していません。δ株の流行時とは明らかに様子が違っています。
以前も書いたように,ウイルスは感染力が強くなる一方で病原性(毒性)は弱くなる方向に進化します。2年近くかかりましたが,新型コロナウイルスも今回のο株をもって,普通の風邪のウイルスにかなり近づいたと思います。
昨年12月に,ドイツの臨床流行病学者カール・ラウターバッハ教授が「ο株が新型コロナウイルスパンデミックの終息を繰り上げる『クリスマスプレゼント』になるかもしれない」と述べていましたが,現実のものとなってきたのではないでしょうか。
今回,私が筆を取ったのは,1月21日に11歳以下への新型コロナワクチン接種が正式承認されたことで,子どもを持つ多くの保護者がどうしたらいいかわからなくなっているのではないかと考えたからです。
結論から申し上げますと,私は
『11歳以下の子どもたちへのワクチン接種は断固として反対』
です。小児科医としての見解を以下に示します。
本来コロナウイルス属は若い人ほど感染し難く,感染したとしても軽症というのが特徴です。コロナウイルスが細胞の中に侵入して増殖するためには細胞表面にあるACE2という突起に付着する必要があります。ところが小さな子どもほど,細胞表面のこの突起が極端に少ないため,ウイルスは細胞内に侵入できず,結果として感染が成立しないのです。
コロナウイルスは大人には感染します。周囲の大人が感染すればウイルスをまき散らすので,近くにいる子どもたちの喉や鼻の粘膜にはウイルスが付着します。PCR検査はほんの僅かなウイルスでも検出するので,家族や園の先生などが感染すれば,子どもたちのPCR検査は陽性となります。
しかし,子どもたちは先に述べた理由により感染し難いため,PCR検査は陽性だが感染はしていないというギャップが生じます。小児科医の多くは子どもが感染しにくいことを知っていて,PCR検査や抗原検査は意味がないことを理解しているのですが,小児科以外の医師で,この辺のことがわかっている人は少ないようです。PCR検査が陽性というだけで,「子どもの感染が増えている」とテレビで平気で言ってしまっています。
私が調べた範囲では,δ株までに限って言うとおおよそ中学生以下の子どもたちへの感染は多くありません。小学生以下では,ほぼゼロに近いと言えます。
今は,最も風邪のウイルスが活躍する冬です。幼稚園・保育園の園児は皆風邪をひいているといっても過言ではありません。集団生活の中にいると,周囲の子どもたちから次々と風邪をもらいます。人は初めてのウイルスには必ず感染します。ただ,一度かかった風邪には原則として二度と感染しません。6歳くらいまでは頻繁に風邪をひきますが,経験を積んでその後風邪をひかない身体になっていくのです。風邪をひくことは,子どもたちの人生においてとても大切な仕事なのです。
周囲にコロナに感染している大人がいて子どもたちにウイルスをまき散らしているような状況では,たまたま風邪をひいて症状がある子どもにPCR検査を行えば,陽性になることも多いでしょう。症状は他の風邪によるものなのにコロナの症状と勘違いして,「子どもでもコロナに感染するのだ。マスク・手洗い・黙食・休園が必要だ。」という誤った発言・対応が出てきてしまうのです。
子どもの頃からたくさん風邪をひいたおかげで風邪にかかりにくくなった大人が発熱し,PCR検査で陽性が出れば,コロナに感染している可能性が高いと言えるでしょう。しかし,まだまだ多くの風邪にかかる宿命にある子どもが発熱し,たとえPCR検査が陽性になっても,コロナに感染したとは断言しにくいのです。
PCR検査の意味もわかっていない医師たちがテレビに出て,「子どももたくさんコロナに感染している」と平然と誤った情報を流しています。非常に嘆かわしいことです。
その結果,1月24日の時点で全国327カ所の保育園やこども園が全面休園しています。2年前に安倍前総理大臣の独断で行われた3ヶ月間の休園・休校は無意味であり,二度と繰り返してはならないと言っていた矢先の今回の休園です。
これにより多くの働く親が仕事を休まねばならず,医療・教育・福祉をはじめとする様々な現場に大きな支障を来しています。
コロナウイルスの特性を考えれば,保育園児・幼稚園児がコロナに感染する可能性は著しく低いのです。もし万が一感染したとしても重症化する可能性も非常に低く,本人たちにとっても周囲の子どもや大人たちにとっても,何の影響もないと言ってもいいと思います。
そんな中,1月21日に11歳への新型コロナワクチン接種が正式承認されました。本気なのか?と私は耳を疑いました。
一体この決定を下しているのは誰なのでしょうか?
現場の小児科医をはじめとする多くの医師たちの声を全く無視した形の今回の国の対応に,大きな怒りを感じずにはいられません。
子どもたちが感染する可能性が著しく低いウイルス。万が一感染したとしても無症状や軽症にとどまり,重症化する可能性が限りなくゼロに近い,子どもたちにとっては何でもないただの風邪のウイルス。
そんなウイルスにワクチンは必要でしょうか?
若い人ほど強く出る可能性の高い副反応におびえながら,子どもたちに接種する必要性がどこにあるというのでしょうか?
お願いします。良識のある人たち,私と一緒に大きな声を上げてください。
子どもたちへのコロナワクチン接種は意味がありません。絶対に接種するべきではありません。
早く新型コロナの2類感染症指定が外され,子どもたちへの接種が中止されるよう祈っています。
まだまだお伝えしたいことはたくさんありますが,今回は11歳以下の子どもたちへのコロナワクチン接種に反対という意見に焦点を当ててお話させていただきました。
情報が少ないことへの不安,マスコミの偏った報道に知らず知らずのうちに精神的にやられてしまっている方も多いのではないでしょうか。何を信じたらいいか,わからなくなっている方も少なくないと思います。
私の意見は,ニュースでコメントをするような医師のものとは異なると思います。それは,これを読んでくださっている皆さんをはじめとした国民の健康を第一に考えているからです。皆さんが新型コロナウイルス感染症と共存していく上で,私の意見が一助となれば幸いです。
今後も意見投稿をしていこうと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
