医療法人たばた小児科
〒355-0153
埼玉県比企郡吉見町久米田616-8
0493-54-8822
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明けましておめでとうございます。
皆様,健康でよい年を迎えられたことと思います。
昨年は,年が明けて間もなく新型コロナウイルスの感染が世界中に拡大し,多くの人々の生活が一変した年でした。連日過剰なコロナの報道にあふれ,多くの国民がコロナを必要以上に恐れ心を病み,モチベ-ションの低下した1年でした。
年末から感染者数が連日最高値を更新し,マスコミは相変わらずコロナのことばかり報道し,国民の恐怖心を煽っています。このままでは経済的にも精神的にも我々の生活は徐々に追い詰められ,希望を失っていく人々が増え続けるでしょう。
そろそろこの辺で,新型コロナに対する考え方と対応を変える必要があります。
4月の記事以来,文書を書くことを怠ってきましたが,このままでは日本は,世界はどうなってしまうのだろうという危機感を強く感じているため,再び発信します。
1.過剰な内容で国民の心を煽るばかりのマスコミの報道
さて,皆さんは新型コロナウイルス感染症,改めてどんな疾患だと考えていますか?
昨年出現し始めたころと比べて,大したことはないウイルスだとお思いですか?それとも,とても恐ろしいウイルスだと感じていますか?
マスコミやインタ-ネットの情報が全て正しく公平な内容なら何も問題はないのですが,非常に偏った内容の報道が多いように思われます。
まず連日感染者数や重症者数,死亡者数が報道されていますが,詳細についてはほとんど報告されません。何歳でどんな基礎疾患を持っている患者が重症化し,死亡しているのか,若い世代にも重症者が多いのかなど,詳細な内容が報道されることはまずありません。
年末から,‘イギリスでウイルスの変異種が出た’と,こぞって報道されています。これは簡単に言えばウイルスの構造に変異が起こり,より感染しやすくなった可能性があるということなのですが, ‘変異が起こった’ などと言われると多くの人は ‘より強い怖いウイルスに変身した’ と思い込んでしまうのではないでしょうか。中途半端な報道は,市民をますますウイルスの恐怖の渦中に落とし込みます。
ウイルスの変異は常にほかのウイルスでも起こっており(例えばインフルエンザウイルスは常に表面の形を変えており,何度でも感染する可能性がある),珍しいことではありません。
感染力が強いことと病原性(毒性)は分けて考えないといけません。例えば,ノロウイルスは感染性が非常に強いですが,病原性は低くほとんど重症化しません。感染力は強く,かつ宿主(人間)を殺さない程度の病原性というのがウイルスにとって自分たちが生き延びていくのに都合のいい状態です。したがって通常は,ウイルスは弱毒化していきます。
よく聞いてみれば,今回の報道でも新型コロナウイルスが強毒化したという報道はなされていませんし,その根拠も今のところありません。しかし ‘変異が起こった’ という言葉だけで,多くの市民は ‘強毒化した’ と誤解してしまうのです。
後でもう一度述べますが,若い世代ほど新型コロナウイルスには感染し難く,感染しても重症化し難いことがわかっています。20歳以下の健常者で今までに死亡した人は日本では0人,20歳代では1人です。この1人も,糖尿病があり動脈硬化が進行していたと思われる基礎疾患のある28歳の力士です。
こういったことはきちんと報告されずに,今日は全国で何人死亡したとか,こんなに怖い後遺症があるといったネガティブな報道ばかりなされています。
これでは,新型コロナは本当に恐ろしいウイルスなのだと,一般市民は潜在的に刷り込まれてしまいます。
最近は全国的に感染者数が最高値を更新し,それに伴って死亡者数も増加しています。ニュ-スでは連日,「今日は50人(も)の方が死亡しました」と報道します。
しかし,日本全国では毎日約4千人の人間が死亡しているのです。一部には事故や自殺も含まれますが,ほとんどが寿命を全うしたお年寄りです。毎日の死亡者数を考えれば,この報道の仕方には酷い印象操作がなされていると思います。
また,癌や動脈硬化などの基礎疾患があってそれが直接の死因と思われる場合でも,たまたま新型コロナウイルスに感染していることがわかると「新型コロナで死亡」とカウントされてしまいます。
4月のエッセイにも書きましたが,新型コロナを終息させることはまず無理でしょう。コロナウイルスはインフルエンザと同様,寒くて乾燥した環境を好みますからこれからさらに感染者は増加するでしょう。ただ,ゆっくりと感染が拡大してくれれば,大きな混乱は起こらずにすむはずです。
幸い日本人は暑い夏でも屋外を歩く時でも,不要と思えるマスクを着用するくらい真面目ですから,欧米と比較して,感染者数も死亡者数も今のところ百分の一程度で推移しています。ほとんどの人は軽症ですむので,一部の重症化する可能性のある人などへうまく対応ができれば,何が何でも感染してはいけないと考える必要はないのです。新しいウイルスなので,いずれは世界中のほとんどの人が感染する運命にあるのです。「感染しないようにする」から,「うまく感染する」という考え方にシフトしていく必要があると思います。
最近の報道で耳にするのが『医療崩壊』という言葉です。このまま感染者数が増えれば重症患者を収容しきれなくなり,大変なことになると連日報道されています。
しかし,真面目な国民性のおかげで,欧米に比較して日本の患者数の増加はかなり抑えられています。なぜ『医療崩壊』という言葉が出てくるのでしょうか?
医療崩壊を招こうとしている最も大きな原因は,次に述べるように新型コロナウイルスへの国の対応が誤っているからであると私は考えます。現場で私と同じ考えを持っている医師は少なくありません。
2.なぜか指定感染症になっている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
人に感染するコロナウイルスには,現在7種類があります。そのうち4種類は病原性が低く,普通の風邪や胃腸炎を引き起こします。残り3つが重篤な肺炎を起こしやすいコロナウイルスで,①SARS-CoV(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス:2002年中国に出現)と②MERS-CoV(中東呼吸器症候群コロナウイルス:2012年サウジアラビアやカタ-ルなどに出現),そして今回問題となっている ③SARS-CoV2(新型コロナウィルス:2019年)です。
①SARSの死亡率は約9.6%,②MERSは35%と推定されています。今回の新型コロナウイルスの死亡率は年齢によって大きく異なり,高齢者ほど高くなっていますが,最近の死亡率は数か月前と比べるとどんどん低下しており,0.9%程度と報告されています。ひょっとすると,ウイルスの弱毒化が進んでいるのではないかといわれる所以です。
死亡率は,死亡者数÷感染者数で算出されます。分母が変わると大きく変化します。現在報告されている感染者数とは,PCR等の検査を受けて陽性となった人の数です。しかし,感染が判明すると軽症であっても報告され隔離されてしまう現在の体制では,感染していても検査を受けない人がある程度存在するものと思われます。つまり,死亡率は0.9%よりもっと低いことは明白です。また,我が国の場合,第1波とそれ以降ではPCRの検査可能件数が飛躍的に増加していますので,第1波の時のPCR陽性者数と重症者の比率をそれ以降,すなわち第2波や第3波と単純には比較できません。
いずれにしてもはっきり言えることは,SARSやMERSと比較して,新型コロナウイルスの死亡率は明らかに低いということです。それなのにSARSやMERSと同じ取り扱いをしないといけない指定感染症になっているところに,『医療崩壊』が懸念される大きな原因があります。
例年冬から春にかけて流行する季節性インフルエンザは,年によりばらつきはあるものの感染者数は数百万人~1千万人,死亡者数はインフルエンザそのものによる死亡は数千人,関連死まで含めると1万人です。そのほとんどが高齢者です。それでもインフルエンザは五類感染症なので,隔離や消毒などは要求されません。求められるのは発生動向調査のみです。
誤嚥性肺炎によって死亡する高齢者は年間3万人です。
一方の新型コロナウイルスの感染者数は12月31日時点で24万人(検査を受けていない人もおり,もっと多いと思われる),死亡者数は関連死を含めて約2千5百人です。
小児も,インフルエンザ脳症により毎年数十名~百名ほどが死亡し,その倍以上の子どもたちが後遺症を残しています。
一方,健常な20歳以下の若者,小児で新型コロナで死亡した者は現時点では1人もいません。
3.医療崩壊を防ぐためには,COVID-19を指定感染症から外し,感染者は原則入院という対応を中止すべき
現在,新型コロナウイルスは指定感染症になっており,SARSやMERSと同様に二類感染症として取り扱うことになっています。二類感染症には他に結核,鳥インフルエンザ(H5N1)などが含まれます。しかし,先に述べたようにCOVID-19の致死率は,SARSやMERS,鳥インフルエンザと比較して明らかに低いのです。
感染拡大初期の大きな混乱から,この感染症に対して方向性が定まらないまま,ずるずると指定感染症の扱いを続けているように思えてなりません。
しかし,これはもはや現実的ではありません。以下の理由から,早晩COVID-19を指定感染症から外すべきなのです。
まず,現在の法体制では,症状が軽い若い世代も原則として入院またはホテルで療養となってしまいます。全く元気な若者が暇を持て余して病室で筋トレをしている傍らで,厳重な防護服に身を包んだ医師と看護師が佇んでいるという滑稽極まりない風刺画が目の前に浮かびます。
そしてこれら軽症の若者の入院費用も,すべて国費で賄われています。税金の無駄遣いと言うほかありません。
例えば,インフルエンザと同じ五類感染症にして,COVID-19の患者を診療した医師(開業医も含む)が,麻疹などと同様に全数届け出と検査(感染症法第11条の適応)を,しばらくの間行うようにすればよいと思います。そうすれば隔離も不要になり,基本的に自宅で療養することになります。
新年になりさらに感染者が増えています。そのため入院ベッドが不足し,入院できずに自宅待機者が増えていると,このところ連日報道されています。
ところが,コロナが指定感染症から外れれば,一般の病院でもインフルエンザと同様に,コロナ患者を入院させることができるようになります。重症者もコロナ専用病院だけではなく,集中治療室のある民間の病院でも収容することが可能になります。これが最も現実的でスマ-トな対応ではないでしょうか?
COVID-19を指定感染症から外し,少なくとも感染者は原則入院という対応を中止するだけで,『医療崩壊』は簡単に解消されます。
そして,COVID-19が五類感染症になれば,何といっても医療機関や介護施設に勤務している人々のストレスがなくなります。
現状だと,ある職員が感染したことが判明すると,当事者のみならずその医療機関や介護施設全体が濃厚接触者多数ということで閉鎖・休業に追い込まれかねません。職員だけでなくそこを利用している多くの患者さんとその家族にとっては,大きな不便を強いられることになります。
他の疾患,例えば心臓病やがんなどで手術を待っている患者が,(本来は入院する必要のない)コロナ患者のために手術が後回しになり,手遅れになる危険性も危惧されます。さらに ‘あの施設でコロナが出た’ という風評被害は,再開後の施設の運営に多大な悪影響を及ぼします。
「万が一自分が感染したら大変なことになる」という医療関係者の感じているプレッシャ-とストレスは計り知れないものがあります。そういったプレッシャ-に押しつぶされそうになりながらも重労働をこなしている医療従事者の心の負担を,二類感染症から格下げすることにより大きく軽減することができます。
具体的には,職員の感染が発覚しても,症状のない他の職員に対する検査や隔離は不要となり,症状のある職員だけを休ませて,順調な回復が見られれば発症後1週間程度で職場復帰という道筋が得られます。現在のような大げさな防護服を着用して患者の対応に当たる必要もなくなり,防護服の脱着や過剰な消毒などに要している無駄な時間が倹約できます。
以上,COVID-19は,インフルエンザへの対応とほぼ同じにすればよいと思います。これが最も現実的ではないでしょうか。
4.なぜ子供たちは新型コロナウイルスに感染し難いのか?
若い世代ほど新型コロナウイルスに感染し難く,感染しても軽症ですむという事実は,誰もが納得しているところです。特に,15歳以下(中学生以下)の子どもたちへの感染は,ほとんど認められていません。
それでも時々,「○○小学校でクラスタ-」というような報道がなされることがあります。これを鵜呑みにすると, ‘なんだ,小学生も新型コロナウイルスに感染するんじゃあないか’ と勘違いされてしまいます。しかしこれは,「PCR検査が陽性=感染している」という誤った解釈に起因した誤った報道であり,よく調べてみると ‘実は感染はしていない’ ことがわかります。
ここでPCR検査についてお話しておきます。これはPolymerase Chain Reaction(ポリメラ-ゼ連鎖反応)の略で,検体の中にあるウイルス遺伝子を十分な量まで増幅し,ウイルスの存在を確かめる検査法です。ほんのわずかなウイルスも検出し得る優れた検査法です。
大人は新型コロナウイルスに感染します。家族内では感染した親が,学校や幼稚園・保育園では先生がウイルスをまき散らします。ウイルスは子どもたちの気道の粘膜に付着します。これらのウイルスは,当然PCR検査で検出されます。
ところが,感染が成立するためにはウイルスが気道の細胞に入り込んで増殖する必要があります。細胞の表面に付着しただけでは,ウイルスは存在するけれども ‘感染している’ とはいえないのです。
ウイルスが細胞内に入り込んで増殖することにより初めて感染が成立し,他人への感染力も生まれます。ここで,ウイルスが細胞内に入り込むためには「ACE2」という細胞表面に存在する突起のようなものが必要になります。新型コロナウイルスはこの突起に結合して細胞内に入り込むのです。
この突起の数は高齢者と喫煙者で増加します。高齢者や喫煙者で感染リスク・重症化リスクが高くなるのはそのためです。
ところが,子どもたちの体内の細胞にはこの突起が極端に少ないのです。そのため,ウイルスは細胞表面には存在するが細胞内に入り込めず増殖できない⇒感染が成立しない⇒他人にも感染しない,という公式が成り立ちます。これが,幼少児ほど新型コロナウイルスに感染し難いという大きな理由です。
他にも,子どもたちは日頃から常に多くのウイルスに感染しており,大人に比べて自然免疫力が亢進していることも感染し難い理由の1つと考えられています。
昨年12月に東松山市の小学校と,吉見町の保育園で ‘クラスタ-騒ぎ’ がありました。いずれも同居している家族が感染して,家庭内で家族にウイルスをばら撒いたというものです。
PCR検査の結果は,同居している小学生も保育園児も陽性でした。ところが,同じクラスの小学生と園児全員に対してもPCR検査が行われましたが,陽性者は1人も出ませんでした。発端となったPCR検査で陽性だった子どもたちにも,何の症状も現れませんでした。
これらは,「子どもたちはウイルスに暴露されればPCR検査では陽性となるかもしれないが,発症はし難い」という事実を裏付けています。
同様に小学校で担任が感染し,教室でウイルスがばら撒かれて複数の児童がPCR検査で陽性となった事例でも,検査陽性の子どもたちは誰も発症せず,周囲の人々にも感染は起こっていません。
PCR検査で陽性=感染しているという誤った認識から「○○小学校でクラスタ-」といった,いい加減な報道が平気でなされてしまいます。多くの市民はこれを鵜呑みにし,子どもでも感染するのだ,すぐに休校にすべきだと,誤った判断を下してしまうのです。
新型コロナウイルスが人へ感染するのは,おおよそ発症前2日から発症後5日ということがわかっています。
現実的には,PCR検査で陽性の子どもは念のため1週間休ませ,症状のない他の子供たちは普通に登校・登園させるというのが,妥当な対応だと考えます。
昨年3月から行われた3ヶ月間の休園・休校は,科学的根拠に基づいたものではなく安倍元総理の独断で行われたもので,全く無意味でした。
無意味どころか子どもたちの教育の機会を奪い,子どもたちを屋外生活や社会的交流の減少に起因した抑うつ傾向・情緒障害に陥らせ,さらに家族の生活や社会経済等に多大な影響を与えました。
親子とも自宅に引き籠るようになりストレスが高まり,家庭内暴力や子ども虐待のリスクが高まりました。
親の失業や収入減のため,貧困家庭はさらに厳しい状況になり,福祉活動も滞り「子ども食堂」などのボランティア活動も停止し,給食や子ども食堂の食事で食い繋いでいた子どもが食生活に困窮する事態も生じました。
乳幼児健診も延期・中止となり,子どもの心身の健康問題や母親の育児不安の早期発見,介入の機会を逃す危険性が高まりました。
こと子どもに関する限り,COVID-19が直接もたらす影響よりも,このようなことに関連した健康被害のほうがはるかに大きかったことが認識されました。
今後どんなに新型コロナウイルス感染症が拡大しても,休園・休校は二度と行うべきではありません。
子どもたちが新型コロナウイルスに感染する可能性は非常に低いことと,万が一感染しても重症化し難いという事実が,その理由です。
5.あまりにも酷い我が国の新型コロナへの対応
本日1都3県で再び非常事態宣言が出されました。これに本当に意味があるのなら国民も納得するかもしれませんが,はっきり言って効果はまず期待できないと私は思います。
何度も言いますが,もはやコロナウイルスの拡散を終息させるというような状況ではないのです。数カ月間続く寒い季節に,コロナウイルスはますますその勢いを増すことは明白です。
コロナを封じ込め感染しないようにするのではなく,いかにうまく全国民がゆっくり感染していくかが重要になってきます。
またもや政府や知事たちの気まぐれで営業時間の短縮を要請されている飲食業者,Go To トラベルの突然の中止で大打撃の旅館・ホテル・旅行会社,そしてそこに食材を提供する漁業・農業・畜産業などの生産者のみなさんの生活はどうなってもよいというのでしょうか?
政府のコロナへの不適切な対応のせいで,多くの人が職を失い収入が途絶えてしまっています。好んでコロナに感染したわけではないのに,同情されるどころか非難され心に傷を負い,生きる希望を失った人たちが大勢います。
日本では毎年約2万人の人が自殺していますが,今年は自殺者がさらに1万人増えるだろうと言われています。そして,自殺するのはまだまだこれからという多くの将来のある若い世代です。
人間はいつか寿命が来て亡くなります。余力のない80歳90歳のお年寄りが,たまたま新型コロナウイルスに感染して死亡したことを,大きく取り上げて騒ぎ立てる必要があるのでしょうか?
おそらく年間で,コロナ関連死者数は多く見積もっても4千人程度と思われます。その多くが,ちょっとしたきっかけで亡くなっても不思議ではない高齢者です。ひどい認知症を患ったり新型コロナ以外の疾患にかかっている高齢者で,救命できたとしてもその後の生活が非常に困難と思われる人に,人工呼吸器やECMOを駆使し,多大なエネルギ-を使って救命する必要性があるでしょうか?
不要な延命は避けようという流れが近年やっと確立され,無意味な人工呼吸器の装着や胃婁の造設などは減少する傾向にありました。ところが,今回のコロナ騒動においてはそういったことが忘れ去られ,救命が不要と思われる人にも一律に過剰な救命措置がとられているように思われます。
もっと先に救うべき人がいるのではないか?助けるべき人の順位をつけるためのトリア-ジが,正常に機能していないような気がします。
二類感染症の指定が外れれば,コロナに罹っても強制的に病院に搬送されることもなくなり,自宅や介護施設などで寿命を全うできるようになります。
介護施設の職員にとっても,日ごろから親身になってお世話してきたお年寄りを最後まで自分たちの施設で看取ってあげることができれば,その家族も含めて,どんなにか心の充足が得られることでしょう。
至急,国は新型コロナに対する対応を変えるべきです。申し訳ありませんが,大臣も知事も日本医師会・東京都医師会の幹部もテレビによく出てくる感染症の専門家といわれる医師たちも,大局観をもっていないように感じます。実際の医療現場でコロナ患者に対応している方々の意見を,もっと聞くべきです。
このような人たちに,この国のコロナへの舵取りを今後も任せることに大きな不安を抱いているのは,私だけではないと思います。
6.日本が今後やるべきこと
1)新型コロナウイルス感染症の二類感染症指定を外し,感染者は原則入院という対応を止めること
現在最も大きな問題は,ほとんどの感染者が軽症であるのに報告と隔離が義務付けられていることです。
一部の重症者を除き,軽症者はインフルエンザと同じように家庭で約1週間の療養とすれば,感染者本人の負担も減り,軽症者を収容していた病院にも物理的・精神的な余裕が生まれます。
家族が感染して家で療養する場合,マスクの着用,家庭内の隔離,手洗いと換気で,他の家族への感染はかなり防げることがわかっています。それでももし他の家族が体調不良を訴えた場合には,速やかにかかりつけ医を受診するという流れになります。
職員が1人でも感染したら2週間診療を中止するなどという非現実的な対応を強制されることもなくなり,すべての医療機関の職員が過度のストレスから解放されます。
風評被害を恐れ発熱患者の診療を尻込みしている医療機関も,従来通りの診療ができるようになります。
過剰な防護服を着用しての診察も不要になり,防護服の脱着や過度の備品や建物の消毒などに要していた時間が倹約できます。過度の消毒による物品の劣化が防げます。フェイスシ-ルド,アクリル板といった備品も不要になり,無駄な出費が減ります。
飲食店もホテル・旅館も通常通りの営業ができるようになります。多くの産業が復活し,多くの人々が再び収入を得られるようになり,経済的にも精神的にも安心できる生活が得られるようになります。
連日の過剰な報道も減り,人々が落ち着きを取り戻せます。
2)子どもたちの特性をきちんと理解し,不要な措置や制限をなくすこと
先に述べた理由から,15歳以下の小児,特に小学生以下の子どもたちはまず新型コロナに感染する可能性はゼロに近いといえます。
マスクの着用,アルコ-ル消毒,三密を避けるなどの行為はすぐに中止すべきです。
マスクは未熟な子どもたちの呼吸機能をさらに低下させます。マスクをして遊んだり運動したりしているのを見ると,具合が悪くなるのではないかととても心配になります。また,マスク着用が顔面の皮膚の炎症を引き起こし,湿疹・ニキビが目立つ子供が増えています。
さらに,まだうまく会話ができない0~3歳くらいの子どもたちは,表情から他人の心情を感じ取ります。周りの大人がマスクをしていると,幼い子どもたちは相手の気持ちが読めず,情緒不安定になります。
園の先生方も,体調が悪くないのであればマスクを着けるのは止めたほうが良いと思います。子どもたちはコロナに感染することはないし,先生方に感染させることもないからです。
咳やくしゃみ,おしゃべりによる飛沫防止のためのマスクの着用は,マナ-としても推奨されます。また,感染を恐れる人が予防のために着用するのも問題はありません。
ただ,屋外歩行や運動中などにも常にマスクをしていないと非国民とみなされるような現在の風潮は,改めて見直されるべきです。マスクの弊害は先に述べたとおりです。
マスク着用は義務ではなく,個人個人の判断に任せるべきです。特に,小児にマスクを着用させる理由がないのは,すでに述べたとおりです。
過度のアルコ-ル消毒により手指の皮膚がカサカサになり,痛くて辛いという子どもも大人も増えています。石鹸にもウイルスを失活させる十分な効果があるので,そのような方にはアルコ-ル消毒は止め石鹸で洗うように指導しています。でも,石鹸も洗いすぎると皮脂が欠乏し手が荒れるので,洗いすぎにも注意が必要です。
そもそも子どもはコロナに感染しないのですから,手洗いは原則として不要です。手が汚れたと思った時にだけ洗えばよいのです。
ここまでお読みいただければ,子どもたちに三密が不要というのも,皆さんはすぐに納得してくださると思います。子どもたちに距離を置かせる措置は,子どもたちの心をも疎遠にします。
マスクを外させ,机の位置を元に戻し,気兼ねなくおしゃべりや遊びのできる以前の子どもたちの生活に戻しましょう!
これまで読み進めていただいた皆様,本当にありがとうございます。でも,まだ私の意見に違和感を持つ方がおられるかもしれません。
しかし,今まで私が述べてきたことは私の勝手な空想でも,口からの出任せでもありません。正しい情報に基づいた,偽りのない意見です。ご理解いただければ幸いです。
7.最後に
コロナのことばかりに気を取られて,他のことがおろそかになっていないでしょうか?
アメリカ合衆国では本日,暴徒化したトランプ支持者が連邦議会に窓を壊して乱入しました。代表人による選挙を妨害するためです。この選挙が終了すれば,バイデン氏が晴れて大統領に就任することになるのですが,直前に行われたトランプ大統領(まだ大統領なのです)の集会で,トランプが支持者を前に「連邦議会場へ行こう」とけしかけたのです。まさにアメリカでは民主主義が大きな危機に瀕しています。
香港では民主化運動に携わったとして53名の民主派議員が逮捕されました。他にも,南シナ海における領土の一方的な拡大など,中国の最近の好き勝手なふるまいは目に余ります。
ロシア,北朝鮮,イラン情勢など,コロナにばかり気を取られているととんでもないことが起こる可能性のある現代です。
暗い話題が多い一方で,身近で日常的に頑張っている人々が,日本にも世界にもたくさんいます。
コロナの報道ばかりに目を奪われずに,コロナから一歩距離を置いて,今年は改めてもう一度,少し自分で考えて行動してみませんか?
1人の医師として,これからも必要があれば発信していきたいと思います。
最後までお読みくださり,ありがとうございました。
